ケースとの関わり方

2019年11月7日木曜日

OT実習手引き 実習の手引き

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さて、今回はケースとのかかわり方について話していきたいと思います。

ケースとは何?

ケースとは何でしょうか?

  • 患者さん
  • 利用者さん
  • 対象者
  • 当事者

などなど、いろいろな表現が出来ますが、ケースとは私たち作業療法士が治療者として、支援者・援助者として成り立つための対象者です。

ケースとの関係は?

ケースがいるから、私たちの仕事が成り立つのは当然ですね。

しかし、ケースと言ってもひとです。何も構えることは無いのではないかという考えもありますが、ひとだからこそ難しいとも言えますね。

ひと 対 ひとの関係であるが、治療者 対 患者でも同時にありますよね。
その関係においても、微妙に関係性がいろいろと存在しますよね。

ひと 対 ひとの関係でといっても、日常生活において対等の関係ということはほとんどないですよね。ましてや、学生 と 対象者。年齢で考えても、学生の方が若輩者であることは明確です。

しかし治療者と患者さんではどうでしょうか?

大体の人は、治療者に主導権があると思いませんか?治療を施す側と受ける側ですからね。当然そういう意識があります。

そう考えると、不安定ですよね。パワーバランスで考えると

学生 < 当事者

治療者 > 当事者

このような図になります。作業療法士としての実習は、若輩者でありつつも治療者として成り立つために実行する。

しかし、治療者を演じることは、若輩者なので出来ませんよね。かと言って「若輩者です。何もわからないので教えてください。」では、治療者として学ぶことが出来ませんよね。

つまり若輩者が治療者としてどう振舞うかが重要になるわけです。この部分が曖昧だと、対象者も自分自身も混乱して立場が分からなくなります。

まあ、対象者に教えられ、叱られる学生は多くいますし、それが多くの学びになりますが、それが全てになってしまっては治療者としては今後が大変だと思います。

しっかりと、意味合いを理解しておきましょう。

ケースと何を話すのか

さて、始めに、何を話していいのか、戸惑っている人も少なくないと思います。

先ほど、いろいろと脅され、学生が治療者としてどう振舞うのかなど、話したので余計に混乱をさせてしまったのかもしれません。

しかし、考え、思うことがとても大事です。

作業療法とは見えないものに対して、評価して実践を繰り返していく仕事です。

なので、見えるものとは他愛のないものかもしれませんが、実際には多くの思慮の上に実践されていることを忘れてはいけません。それを忘れてしまうと、ただ居る人。作業療法の免許を持っている人となります。

では、”ケースと何を話すのか”

それほど難しいことでもないです。その人がどんな人なのか知りたいので、

”ケースのことが知れることを話す”

興味関心から、天気から、日常的な生活から、何でも切り口はありますよね。
時に自分の興味関心を引き合いに出し、相手が話しやすいようにしたり、おどけたり、冗談を言ったり、ケースといってもひとですので、ひととのコミュニケーションを大事にすることが一番大事です。

その上で、治療者として振舞うためには、自分の話は相手との距離を縮めるため、相手のことが理解できるようにするためのツールとして使用しましょう。

ケースとの面談

ケースとの面談。

想像しただけで緊張しますよね。

でも何のために面談するのかを明確にすることがまず一番大事です。
実習計画書に”ケースと面談して情報を取る”と書いたから実施している人もいるのかも知れませんが、それでも何かを思ってか、意味あるから項目があるので、その意味をよく考え、現状と照らし合わせましょう!

大体において、”ケースから直接情報を取る”ということは、カルテでは得られない情報であったり、深層心理の思考や思慮。幼少期のことがら、発病時期、現在の生活、将来への重いなど、真剣に向き合わないと答えにくいもの、そして質問しにくいもの

これを聞くために、わざわざお互いが緊張するであろう面談をするわけです。

だからこそ、お互いが緊張しないでくつろぎながら、本心を伝えられる状況をまずは作りましょう。これはどの本にも書いてありますよね。面接技法です。

ポイントとしては

  • 落ち着いた雰囲気の部屋
  • 静かな空間でお互いの言葉、呼吸が分かる場所。
  • 目線が直線でなく交差して座れる椅子の配置
  • 考え答える余裕的時間
  • 一問一答形式が基本であるが返答から深めることも予測しておく
  • 誘導的質問事項や口調になってないか注意を払う

いろいろと技法はありますが、まずは深呼吸してから気持ちに余裕を持って行いましょう。緊張は伝播しお互い何を話していたのか分からなくなるのでは意味がありませんからね。

ケースと何をするのか

これ、問題ですね。どう関わるかの本質的なものが理解し、明確になったうえでかなりの広範囲で広がりますね。

何となくと思っている場合は、OTだから散歩、折り紙、手芸、スポーツとなってしまいますが、先程話したように作業療法士ではなくなりますよね。

しかしそう簡単に本質的なものがわかるはずはありませんよね。

まずは仮説や評価をするべきだと思います。記事を書いたので参考にしてください。

実際には模索しながら関わるわけですが、忘れていけないのが、常にどんな人なんだろうと思いながら接し、理解が深まるように関わることです。

これが難しいですが、これの手技を学ぶのが、実習です。頑張りましょう。

視線仕草など

おまけで、この項目を書きます。

ケースへの視線てどうすれば良いと思いますか?

ひととのコミュニケーションでは、

「相手の目をみて話しましょう!」

と良く言いますが、精神科においてこれは通用するでしょうか?

”通用しない”

と思います。

精神科の患者さんは心の状態が不安定なのは分かると思います。発病して色々な経験を得ています。発病前も色々な苦悩を体験しております。

人と目を合わせるということがどんなことなのか

これを考えて見ましょう。目を合わせることは意思疎通を図る行為です。

相手の気持ちを理解すると同時に自分も気持ちも相手に伝わってしまいます。
この伝わるという行為に恐れを抱く人は多く居ます。

対人恐怖などではなく、いろいろと人に自分に対しての自信を無くし、人と関わることに恐怖を抱いている人が多いのです。それだけ、傷ついているのです。

表面上では繕っていても、精神的病気を持っているということは健常者よりも脆く儚い不安定な状態を持っているということです。いろいろな目線や、吐息、呼吸、仕草、姿勢、口調、語尾、抑揚、語彙などなど、いろいろと考えていかないと、その人の苦悩やそこから来る息苦しさは理解できません。

理解できないと治療は出来ません。

私たちの仕事は、その人の心を治すのではなく、繕う手助けをし、生活の質を改善に協力するひとです。

なので、目を不用意に、執拗に合わせることは、観察を相手に強く印象付け、嫌悪感を与える場合があります。相手の理解を深めたいのであれば、しっかりを相手を理解し、その上でどんなことが相手にとって有効なのかを考えないといけません。

しかし、何度もいっていますが、学生には出来ません。でもそれを意識して行うのか、行わないのかでは雲泥の差どころか、治療者なのか強要者になるのかの違いになります。

いろいろと考えをめぐらせて接してみてください。


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